いくつかの国でインターネットサービスプロバイダに接続するのに、 ブロードバンド接続 (ADSL やケーブル TV) の一般的なプロトコルは、 PPP over Ethernet (PPPoE) です。 インストーラでは、 PPPoE を用いたネットワーク接続のセットアップをサポートしていませんが、 非常に簡単に設定できます。この節ではその方法を説明します。
また、インストール中に PPPoE 接続をセットアップすると、 インストールしたシステムを再起動した後でも有効になります (第7章 参照)。
インストール中に PPPoE をセットアップし使用するには、 CD-ROM/DVD イメージを使用する必要があります。 その他のインストール方法 (例: netboot やフロッピー) では、サポートしていません。
PPPoE でのインストールは、他のインストール方法とほとんど同じです。 以下で説明するステップが異なるだけです。
ブートパラメータに modules=ppp-udeb
を指定してインストーラを起動してください。
ブートプロンプトに以下のように入力するということです。
install modules=ppp-udeb
または、グラフィカルインストーラを用いる場合、以下のようにします。
installgui modules=ppp-udeb
これにより、PPPoE のセットアップに使用するコンポーネント
(ppp-udeb
) を確実に読み込み、自動的に起動します。
通常のインストール初期化手順 (言語、国、キーボードの選択、 追加インストーラコンポーネント[20]の読み込み) を行います。
次のステップでは、システムにあるイーサネットカードを特定するのに、 ネットワークハードウェアを検出します。
この後、実際の PPPoE のセットアップが始まります。 インストーラは、PPPoE コンセントレータ (PPPoE 接続を扱う一種のサーバ) を見つけるのに、検出したすべてのイーサネットインターフェースを調べます。
最初の試行では、コンセントレータが見つからない可能性があります。 これはネットワークが遅い・負荷が高い場合や、 サーバ側のエラーで起こる可能性があります。 ほとんどの場合、2 回目の試行でコンセントレータの検出に成功します。 再試行するには、インストーラのメニューにある
を選択してください。コンセントレータを検出した後、ログイン情報 (PPPoE のユーザ名とパスワード) を入力してください。
インストーラは、先ほど入力した情報を用いて PPPoE 接続を確立します。 正しい情報を入力していれば PPPoE 接続の設定を行い、 インストーラはその接続を用いてインターネットに接続し、 (必要なら) パッケージを取得できます。 ログイン情報が正しくない場合や、何かエラーが発生した場合、 インストーラは停止しますが、メニューの
を選択して、 設定を再度行えます。[20]
ppp-udeb
コンポーネントは、
このステップの追加コンポーネントの 1 つとして読み込まれます。
優先度を「中」「低」でインストールする場合 (エキスパートモード)、
ブートプロンプトの 「modules」 パラメータに入力する代わりに、
ppp-udeb
を選択することもできます。